古式ゆかしく豊作祈願 門前・豊受神社 

古式ゆかしく豊作祈願 門前・豊受神社 

 能登半島地震の被害が修復された輪島市門前町清水の豊受神社で二十二日、鎌倉から室町時代に都から伝わったとされる県無形民俗文化財の田遊び神事「万歳楽土(まんざいろくと)」が二年ぶりに営まれた。

 裃(かみしも)姿の舞人池端吟爾夫(はるお)さん(64)が宮司から稲束に見立てた祝い棒と若松を受け取り、「まんざいろくと、まんざいろくと、ついと立って、申するようは」と声を張り上げて舞った。農作物の重さを強調するように左右にふらつき、束ねた祝い棒と若松を振り上げて肩に担いだ。

 稲や麦、大豆、大根、ゴボウなど各地で収穫できる作物の実りを表現しながら「大きに太りて、実入りがようて、あっちもふらふら、こっちもふらふら」などと唱え、ユーモラスに舞った。

 「年寄り衆も、若い衆も、子ども衆も、ご繁盛で、ご繁盛で」と締めくくった。氏子たちも「まんざいろくと、まんざいろくと」とはやしながら見守った。 (渋谷昭次)