ホンモロコ養殖 麩活用 県内水面水産センター 規格外製品を餌に

ホンモロコ養殖 麩活用 県内水面水産センター 規格外製品を餌に


 高級魚「ホンモロコ」の養殖研究に取り組んでいる加賀市山中温泉荒谷町の県内水面水産センターは、金沢市の麩(ふ)製造業者の規格外製品を餌として利用できるとする実験結果を明らかにした。

 試験は昨年九〜十月に実施。「加賀麩不室屋(ふむろや)」(金沢市)からこげたり、穴があいたりして規格外となった麩の提供を受け、従来の飼料に麩を25%と50%混ぜた餌を四十九日間、稚魚に与えた。

 混合率50%の魚はやや成長が遅れたが、25%の魚は従来品だけを与えた魚と比べ、ほとんど成長が変わらなかったという。

 今春から県内の一部ホンモロコ養殖業者に協力を求め、この麩を使った餌を与えてもらうことにしている。

 同センターは「特別な加工もいらず、そのまま与えることができる。加賀の食材としてイメージ向上も図れるのでは」と期待している。

 コイ科のホンモロコは琵琶湖固有種。大阪や京都で塩焼きや甘露煮として好んで食べられ、一キロ当たり千〜二千円ほどで流通する。センターは農家に休耕田を活用して育ててもらえるよう、二〇〇三年度から養殖法などを研究している。

 不室屋では規格外の麩が年間約一トン出ており、活用法を探っていた。 (池田知之)