合宿の聖地目指す 和倉温泉旅館協同組合 通年利用へグラウンドの冬芝整備

除草作業に取り組むボランティア=七尾市田鶴浜多目的グラウンド



除草作業に取り組むボランティア=七尾市田鶴浜多目的グラウンド

 七尾市和倉温泉旅館協同組合は、スポーツ合宿誘致を進めるため、市営グラウンド二
カ所を冬でも芝生の緑を保てるよう改良整備を施した。同温泉に宿泊し、グラウンドを利
用したチームの宿泊費の一部を維持管理費に充てている。市も三年前から合宿の費用助成
制度を始めており、官民が連携し、スポーツ合宿のメッカを目指している。
 同市には、合併前の旧一市三町にそれぞれ大型体育館やグラウンドが整備されており、
市内には大人数の宿泊受け入れが可能な和倉温泉もある。年間を通して緑の芝の上で快適
に練習できるようにするため、同組合は昨年六月、同市田鶴浜多目的グラウンドと能登島
マリンパーク芝生広場の整備に着手。十月に夏芝の上から冬芝の種をまいた。
 芝の維持管理費は年間約三百万円。同組合は昨年八月から、グラウンドを利用して和倉
温泉に泊まった客の宿泊費のうち、一人当たり五百円を加盟する各旅館から徴収し、費用
に充てている。これまでに利用者約三千人から、百五十万円程度が集まり、種や肥料代に
使用した。
 同組合などによると、県内で冬芝を備えたグラウンドは数少なく、能登地区ではこの二
カ所だけという。サッカーをはじめ、幅広いスポーツの合宿需要を見込んでいる。
 二十六日は、同組合や市の職員、地元住民らボランティア約五十人が田鶴浜グラウンド
の除草作業に当たった。同組合は「市や地域住民の協力を得ながら、七尾・和倉をスポー
ツ合宿地として全国に発信していきたい」としている。新年度にはインターネットなどを
活用して全国に向け誘致活動を展開する。
 市は二〇〇六年度から、市内で延べ二十五泊以上合宿する団体に対して、一人一泊につ
き五百円から千円を助成している。