実稼働は7割減 石川県内の派遣社員

職を探す人で混雑するハローワーク金沢=金沢市鳴和1丁目



職を探す人で混雑するハローワーク金沢=金沢市鳴和1丁目

 全国で昨年十月から今年三月までに職を失ったり、失う見通しの非正規労働者が十五万
七千八百六人に達し、石川県内で働く派遣社員の雇用情勢も深刻さを増している。大手人
材派遣会社では県内の登録社員のうち、実際に働いた人の数は前年比七割減に低迷。県内
ハローワークには二十七日も求職者が相談の列をつくった。県内の雇い止めなどによる
失職は二千四百三十二人。雇用情勢は先が見えない。
 金沢市内に拠点を置く大手人材派遣会社によると、県内で登録している製造業への派遣
社員のうち、実際に派遣されて働いた「稼働数」は昨年一月、約六百人に上った。しかし
夏ごろから、中途契約解除や雇い止めが続出し、今年一月の「稼働数」は約百八十人にま
で落ちた。
 登録派遣社員は二十、三十代の男性が中心というが、担当者は「求人のある食品や介護
の仕事を紹介しても、製造業を渡り歩いてきた人はやりたがらない」と話し、失職に追い
込まれるケースが少なくないという。
 別の人材派遣会社でも昨年十一月から今年一月までの県内の製造業求人数は、前年同期
比七割減の約百人となった。担当者は「人材派遣業界にとっては死活問題。業界再編につ
ながるかもしれない」とし、実際に県内でも三月いっぱいで廃業を予定する人材派遣会社
があるという。