石垣から赤い水 金沢・お堀通り

石垣のすき間から歩道に漏れ出した赤茶色の水=金沢市丸の内



石垣のすき間から歩道に漏れ出した赤茶色の水=金沢市丸の内

 金沢市丸の内の県道沿いの歩道で、沈床園側の石垣のすき間から「原因不明」(石川県
県央土木総合事務所)の赤茶色の水が漏れ出し、路面を汚している。水量は少なく通行の
妨げになってはいないが、一帯は金沢城公園や兼六園がある城下町金沢の代表的な観光地
とあって、市民や観光客からは「見苦しい」「恥ずかしい」との声も上がっている。
 この県道は通称「お堀通り」で、管理する県央土木総合事務所によると、一月初旬に沈
床園側の石垣の基礎部分から赤茶色の水が漏れ出ているのが見つかった。同事務所では、
沈床園を管理する金沢市と協議し、歩道の路面に切り込みを入れ、車道側に水が流れ出す
よう処置した。
 同事務所によると、このような現象が見られるのは初めて。水が赤茶色に染まっている
ことから、土壌の鉄分が混ざった可能性が推測されるが、なぜ突然出てきたのかは不明と
いう。
 お堀通りは明治期後半に百間堀を埋め立てて造られた道路で、歩道は一九九三(平成五
)年から九五年にかけての拡幅工事に伴い、造成された。沈床園側の石垣はこの工事に合
わせ積み直されたという。
 現在、幅員約三メートルの歩道には石川橋側に向かって約八メートルにわたって赤茶け
たしみが広がっている。歩道の地下には、融雪のための放熱管が張り巡らされており、開
削して調査することは容易ではないという。同事務所は「しばらく様子を見て、続くよう
なら調査を検討したい」(維持管理課)としている。
 三十日、兼六園を訪ねた静岡県の会社員女性(38)は「周りの景観が美しいだけに汚
れが気になる」と残念そうに話した。
 兼六園周辺では今月、地中の水道管が破損したり、地下の電線の不具合による停電も起
こっている。近くに住む主婦(44)は「金沢を代表する地域だから恥ずかしい。早く対
策を取ってほしい」と求めた。