パリで実務者協議 金沢市、ユネスコ創造都市ネットワーク登録へ

金沢市が幹部職員を派遣するユネスコ本部=パリ市内



金沢市が幹部職員を派遣するユネスコ本部=パリ市内

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「創造都市ネットワーク」登録に向け、金沢市
二月中旬に幹部職員を仏パリのユネスコ本部に派遣する。「創造都市」の実務責任者と協
議の場を持ち、昨年十月に申請したクラフト(工芸)分野での登録に向けた積極的な姿勢
をあらためてアピールするとともに、審査状況を把握する。
 「創造都市ネットワーク」の七分野のうち、市が登録を目指すのは「クラフト&フォー
クアート」分野で、このうち「クラフト」に絞り込んだ申請とした。藩政期からの工芸の
技術水準の高さだけでなく、新たな産業、文化創造の取り組みも強調する内容となってい
る。
 昨年十月に山出保市長がパリのユネスコ本部を訪れて登録を申請し、日本の外務省出身
である松浦晃一郎事務局長は早期登録に努力する姿勢を示した。今回、パリに派遣される
のは都市政策局の幹部二人で、ユネスコの「創造都市」担当課長であるジョルジュ・プッ
サン氏と会い、市の申請内容をあらためて説明する。
 既に「創造都市」に登録されている都市の例を見ると、申請から登録までは一―一年半
とみられている。しかし、同じユネスコの「世界遺産」に比べても新しい制度で審査の課
程などが広く知らされておらず、「クラフト」に絞り込んだ申請は世界でも初めてとあっ
て、市としても今後の審査スケジュールなどを読み切れていないのが実情である。
 このため、プッサン氏から現在の審査の状況や今後の予定、登録までの期間などについ
て、何らかの手掛かりを得たい考えである。市側は今後、世界的な業界団体などによる外
部審査などが実施されるとみており、ユネスコから直接情報を得て、準備作業を加速させ
る。
 市は「創造都市」に登録されれば、他の登録都市との交流などを積極的に進め、金沢の
魅力を世界に発信したい考えである。今秋には昨年に続き、「世界創造都市フォーラム」
を開催する予定であり、プッサン氏との協議などを通じて、ユネスコ実力者の金沢訪問も
働き掛ける。