生徒と協力、文化財救え 加賀のNPO、レスキュー隊結成へ

文化財レスキュー隊の川下り体験に利用される新しい船着き場=加賀市の旧大聖寺川べり



文化財レスキュー隊の川下り体験に利用される新しい船着き場=加賀市の旧大聖寺川べり

 加賀市NPO(特定非営利活動)法人歴町センター大聖寺は四月から、同市や錦城中
生徒と協力して「文化財レスキュー隊」を結成する。放置すると失われるような有形、無
形の文化遺産を自分たちが住む地域で探し、映像に残す計画。同NPOは「身近にある地
域の宝を伝承したい」と、発掘と合わせて後世に伝える活動を進める。
 レスキュー隊は、錦城中の一、二年生で歴史に興味がある生徒を募って結成する。国重
文化財の長流亭など、誰もが知る文化財以外にどんな物があるかを探す。
 例えば、かつて獅子舞で行われていた「おんばこ」という踊り、現在はほとんど見られ
なくなった正月を迎える地域の風習、礼儀作法や言い伝えなどを記録に残す。同時に生徒
が地域に出向いて行う聞き取りや体験の様子をビデオに残し、図書館などで閲覧する構想
がある。
 レスキュー隊員は四月二十九日の「昭和の日」に、大聖寺新町のアトリエ理裏の旧大聖
寺川べりにこのほど完成した船着き場を利用し、歴史体験の川下りを行う計画。同NPO
の瀬戸達事務局長は「有名なものから身近なものまで幅広く、毎年続けて調べていきたい
」と話した。