七尾産タラ豊漁 鹿渡島定置、近年の10倍超水揚げ

タラの豊漁が続く能登島周辺の定置網漁=七尾市能登島沖



タラの豊漁が続く能登島周辺の定置網漁=七尾市能登島

 近年漁獲高が低迷していた七尾市能登島周辺の七尾産タラが今冬、数年ぶりの豊漁とな
っている。約二十年前までは日本海側有数の漁場として知られただけに、関係者は「タラ
が戻ってきた」と顔をほころばせ、来季以降の漁にも期待を寄せている。
 県水産総合センターのまとめでは、二月に七尾市内で水揚げされた定置網漁のタラの漁
獲量は十九日現在、約五トンで、既に前年同月全体の一・六倍となっている。重さは一匹
一―一・五キロの小型が主流。同センターは大きさなどから、タラが好む低海水温だった
二〇〇六(平成十八)年に生まれた三歳魚が成長し、豊漁をもたらしたと分析している。

 七尾市鹿渡島定置では、今冬のタラ漁獲高が近年の漁期の十倍以上となる一トンを超
えた。百五十キロを水揚げする日もあるなど、酒井秀信代表は「この十年間では一番の豊
漁だ」と喜ぶ。ただ小型魚が多いため、七尾市公設地方卸売市場では昨年の三割安となっ
ているという。
 同センターは、生息数が多いとみられる三歳魚がさらに成長する来年以降についても「
引き続き豊漁が見込まれ、卸価格も上昇する」とみている。