石川の食材で創作料理を NYのシェフ、朝市や輪島塗工房見学

塗り箸の蒔絵を体験し、日本の伝統文化に触れるシェフ=輪島市内の輪島塗工房



塗り箸の蒔絵を体験し、日本の伝統文化に触れるシェフ=輪島市内の輪島塗工房

 能登、加賀の食材を生かした創作料理を考案するため、石川県の招きで県内入りした米
・ニューヨークの「三つ星レストラン」シェフ三人が二十三日、輪島市の朝市や輪島塗工
房を見学し、石川の食文化や伝統工芸の奥深さを肌で感じ取った。
 輪島市を訪れたのは「ル・ベルナダーン」のクリス・ミューラー副料理長、「ダニエル
」のエディ・レルー副料理長、「ジャン・ジョルジュ」で副料理長に次ぐ地位のセドリッ
ク・フォンゲリヒテン氏。フランス料理を提供する三店はいずれも「ミシュランガイド
で「三つ星」を獲得し続けている。
 三人は、同市河井町の朝市、柚餅子(ゆべし)総本家中浦屋を見学した後、二ツ屋町の
大向高洲堂で、大向稔社長の説明を聞きながら塗りや蒔(まき)絵(え)の工程を見て回
った。塗り箸の蒔絵にも挑戦し、三人は「非常に手間をかけて作られているのが分かり、
感心した」と語った。夜は、同市大野町の能登の庄で和食の盛りつけなどを体験し、創作
のイメージを膨らませた。
 今回は、県内のいしりや地酒、しょうゆ、みそなどを使った新メニューを帰国後に考え
てもらい、石川の食の発信と県産品の販路拡大を目指す県事業の一環。三人は二十七日ま
で滞在し、金沢市の料理屋で加賀料理を学ぶ実地研修も行う。