耕作放棄地を再生 珠洲市が新年度から事業

耕作放棄地を再生 珠洲市が新年度から事業


 珠洲市農林水産省交付金を受け、二〇〇九年度から五カ年計画で耕作放棄地再生に取り組む。市は本格的な着手を前に、市農地活用対策協議会を設立。〇八年度中に試験的に一部の耕作放棄地を復旧させる。

 市内では、農業者の高齢化などによる労力不足のため、約三百七十ヘクタールが耕作放棄地となっている。このため、一月二十九日に市農地活性化協議会を設立し、二月九日には営農希望団体・個人への説明会を開催した。

 営農するには、五カ年の営農計画を立て市産業振興課による審査を受け、認定農業者となる必要がある。市内では営農希望者が多く二十四日現在、四十一の農業関係の個人・団体が認定を受けている。

 これを受け市は、〇八年度中にモデルケースとして、市内六カ所四ヘクタールを二百八十万円の予算で試験的に復旧。耕作放棄地に生い茂るカヤなどを刈り取って耕し、畑に復旧させる。これらの畑で、認定農業者が土地所有者と契約を交わし、カボチャや大浜大豆、能登大納言小豆などの農作物を育てる計画。〇九年度からは、市内全域の耕作放棄地を調査し、順次復旧させる。

 市産業振興課は、「国内の食料自給率向上とともに、市の活性化につながる。建設業などの企業参入にも期待したい」と話している。 (近江士郎)