すっきり新顔 白山で仕込み 県産の新酒米『石川門』 

すっきり新顔 白山で仕込み 県産の新酒米『石川門』 

 白山市安吉町の吉田酒造店で二十七日、新品種の酒米「石川門」を用いた酒の仕込み作業があった。同店では「手取川純米吟醸」の特別ブランドとして四月一日から発売する。(酒井健

 石川門は県内産酒米の新品種。県農業総合研究センター(金沢市)による試験栽培を経て同店を含む県内の酒造会社六社がこの春初めて酒として市販する。

 同店の石川門は、地元の農業法人「うちかた」が育て、昨年秋に収穫した約百六十俵。この日は約二トンが入る和窯で石川門を蒸し、仕込みタンクに送り込んだ。同店のブランド「吉田蔵」の取扱店関係者らが、体験を兼ねて作業をした。

 仕込んだ酒は三月二十日にしぼり、「手取川純米吟醸 酒米石川門使用」の銘柄で販売する。四月一日には無濾過(ろか)生原酒、六月一日には熟成し、熱殺菌した化粧箱入りを発売する。それぞれ一升を五百本、四合を千五百本生産する。

 同店の吉田隆一社長は、石川門の品種としての特徴から「濃醇(のうじゅん)すぎず、後味のキレの良い、深い味わいが出せそうです」と期待している。