卒業式シーズン到来 感謝と別れ…涙
県内で一日、公立高校のトップを切って金沢桜丘高校(金沢市大樋町)など三校で卒業式があった。卒業生たちが恩師や保護者らに見送られながら、新しい人生の一歩を踏み出した。
○…金沢桜丘高校では保護者らが見守る中、九クラス計三百五十六人が学びやに別れを告げた。式では各担任が一人一人の名前を読み上げた後、総代の田中智裕さんが卒業証書を受け取った。
楠景二校長は「社会への貢献」「文武両道」「精神的な成熟」の三つをテーマに式辞。「世界を視野に入れて志高く、誠実に生きていけば必ず道は開ける」とはなむけの言葉を贈った。
卒業生からは桝屋佳奈さんが代表して答辞に立ち、「未熟な私たちを辛抱強く指導してくれた」と恩師や父母への感謝を述べた。涙で言葉が詰まるシーンもあり、思わずハンカチで目頭を押さえる保護者もいた。
式後は各クラスで最後のホームルームがあり、卒業生が三年間をともに過ごした仲間との別れを惜しんでいた。 (佐藤航)
○…輪島高校では、普通科の百十八人が三年間学んだ校舎から巣立った。学校統合で増えた一年生を含め約四百四十人の在校、卒業生に加え、来賓、保護者、教職員ら約七百人が出席した。
生徒代表に卒業証書が授与された後、表純一校長が「卒業後に自立的な社会人となるため、自分の心の中からささやきかける内なる声に耳を傾け、行動してください。内発的に生き、行動することが校訓の誠実につながる」とはなむけの言葉を送った。
これに対し、卒業生代表の古今晴子さんが「輪島高校での三年間は、どんな宝石よりもキラキラした思い出です。感謝するとともに、ここで学び、卒業できることを誇りに思います」と答辞を述べた。
(石本光)
○…定時制高校・県立七尾城北高校(七尾市)では、仕事をしながら学業に励んだ若者や、学び直した六十歳ら卒業生十人が思い出深い校舎を巣立った。
上杉強校長は、卒業生の努力をたたえ「心の豊かさを追い求める人間になってほしい」と式辞を述べた。
卒業生を代表してフィリピン人のスルイス・ジェニーさん(22)は「仕事と学校の両立はとても大変でしたが、支えてくれた皆に心からサンキューベリーマッチ。学んだことを社会で生かしていきます」と答辞を述べた。
ジェニーさんは五年前に来日し、英会話教師を目指し、市内の水産物加工会社で働きながら学校に通った。
(増井のぞみ)