中島高にお布施 30年余 七尾・一心寺の山口住職

中島高にお布施 30年余 七尾・一心寺の山口住職

 七尾市中島町浜田、法華宗一心寺の住職山口喜明さん(69)は、ことしも地元中島高校に寒修行のお布施の一部を寄付した。先代住職の母慈妙さんの代から続けており、三十年余りになる。同高は来年度で廃校が決まっており、山口さんは「(寄付は)今回が最後になるかもしれん」と複雑な表情だ。(島崎勝弘)

 同寺の寒修行は、初代住職の祖母慈光さんの代から続いている。一月上旬の寒入りから節分まで毎晩、中島町の市街地を二時間かけて回る。招き入れてくれる家で経文を唱えており、距離にして五キロ。

 中島高校への寄付は、中島小(旧熊木小)と中島中とともに地元への奉仕の思いから続けてきた。同高では毎年の寄付で書籍を購入し、図書室に「一心寺文庫」を設けている。

 山口さんは、「(廃校は)寂しいけど、中島の地で学んだことに誇りを持ち、将来の人生に生かしていってほしい」と、卒業する三年生や残り少ない在校生にエールを送っている。