孤立4日間「助け合う」 能登大雪、石動山の4世帯 除雪車見て「やっと町へ」

車両通行再開に向けて生活道路を除雪する住民=七尾市石崎町



車両通行再開に向けて生活道路を除雪する住民=七尾市石崎町

 能登南部を襲った大雪の降り始めから四日たった二十八日、七尾市中能登町の除雪が
遅れていた地域でも車両が通行できるようになった。同町石動山地区も孤立状態が解消し
、互いの家を除雪し合うなど、助け合って暮らしてきた高齢の住民は「よかった」と胸を
なで下ろした。
 町によると、石動山地区には四戸七人が生活しており、住民全員が七十歳以上。雪深く
冬季に孤立状態となることはままあるが、住民の体調悪化が懸念されたことから、町職員
が毎日住民を電話で励ましていた。二十六日から除雪作業が本格化したが、水分を含んだ
雪で除雪作業が難航していた。
 同地区の無職山本友一さん(85)方は玄関先に「一階の軒に届くほど」の雪が積もり
、外に出るのもやっと。越冬に備えて暖房用のまきや食料を保管し、停電もなく生活に支
障はほとんどなかったというが、除雪車を迎えた山本さんは「久しぶりの大雪で驚いた。
やっと車で町に出られる」と喜んだ。
 一方、平野部で除雪が遅れていた七尾市石崎町でも生活道路に車両が通行できるように
なった。無職達長松さん(69)は「元通りの生活がようやく送れる」と話した。
 全小中学校が二日間臨時休校した七尾市内では児童や生徒が土、日曜を挟み五日ぶりに
登校した。停電は同市内や志賀町の作業小屋や別荘十七軒に減り、路線バス運行も全線再
開。同市のごみ収集も二十九日に再開する。